生成AIを使っちゃいけないのか

愛知県一宮市の個人塾、いしだ塾の塾長、石田喜嵩です。

結論から言えば、生成AIには良い点も悪い点もあるので、両方を知ったうえで使うことは特に問題ありません。

いい点については説明不要だと思うので、悪い点について、2点に絞って、お話しします。

アイデンティティ

もっとも重要なのは、アイデンティティ形成を妨げるということです。アイデンティティとは、「これが私だ」という確信のことです。
青年期には、周囲からの評価に違和感を覚えたり、憧れの姿とのギャップに苦しんだりするものです。自分の好き嫌いや、長所、短所も、分からないことが多いです。場合によっては、この世界で自分が生きていること自体に違和感を持ったり、自分が生きていることを肯定できなかったりします。

しかしそれは正常な成長のプロセスです。
「私は何ものなんだ」と悩みながら人付き合いをしたり、勉強をしたり、ものを考えたりするなかで、アイデンティティは見つかるのです。
例えば、友人がよくないことをした時に、声をかけるか、それとも見て見ぬふりをするか。作文を書くときに、何に注目し、どう結論付けたか。そういう自分の責任で行ったことの一つ一つが、自分という存在を形作っていくのです。

AIは、そうした悩みを省いてくれます。代わりに考えて、代わりに判断してくれます。そのため私たち自身の責任は軽くなります。
実際、AIはあらゆる判断に侵入しています。閲覧履歴や検索履歴、またAIとの対話の履歴から、好みや性格を分析し、私たちのアイデンティティを教えてくれます。
AIのおかげで、私たちは、決断を避けることができるようになりました。
しかしその代わりに、アイデンティティを確立することが困難になりました。
それは、自信をもってこの世界を生きることが難しくなったということです。

AIが学習の邪魔になる

また、AIを勉強に活用する場合も、かえって学習効果を下げる恐れがあります。

スマホがそばにあるだけで、集中力は低下するそうです。
これは、スマホがそばにあるという状況では、「スマホを触ろうか、やめておこうか」という判断を何度も下さなければならないからのようです。

つまり、すぐスマホが触れる状況というのは、勉強にとってノイズになるのです。
AIを勉強に使うなら、スマホはそばに置いておくことになるでしょう。

それだけではなく、AIに質問をするまでには、スマホを起動し、通知を目に入れ、アプリのアイコンを目に入れるという段階を経なければなりませんが、このときにはやはり多くのノイズを受けることになります。

学習効果に反するものは、それだけではありません。
google 効果といって、すぐに調べられると分かっていることは記憶に残りづらいことが分かっています。
一般に、自分が努力をしていないことは記憶に残りづらいといえます。
1時間かけてAIに多くのことを調べさせて勉強するよりも、同じ1時間で1つのことを辞書や教科書や参考書を使って調べる方が、学習効果は高いと思います。

中高生の学習内容は、教科書や参考書に必ず書いてあります。内容についてAIに頼らなければならないことはないはずです。
もし、AIを活用するとしたら、「自分は何から勉強したらいいと思う?」というようなサポートか、「この問題の類題を30問作成して」といった問題生成の目的で使うならば、有意義な使い方になるでしょう。

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