吉田健一『英国の文学』
愛知県一宮市の個人塾、いしだ塾の塾長、石田喜嵩です。
吉田健一『英国の文学』の冒頭第一章「英国と英国人」は、英国の気候風土から英国人の気質を論じるもので、大変面白いです。
吉田が挙げている例の筆頭はシェイクスピアの14行詩ですが、エミリ・ブロンテの『嵐が丘』など、この視点から読み返したら面白かろうと思います。ジョージ・エリオットの『サイラス・マーナ―』でも、イギリスの風土はよく表現されていたと思います。
「英国の宗教文学」の章もおもしろく、ダンテ『神曲』などと比較した英国宗教文学の特徴を、神の国とこの世が宥和しないで対立している点に見定め、それがラングランド『農夫ピアズの夢』にすでに表れていることを指摘しています。
また、ミルトンを論じる分量がやや長いのも印象的で、やはりミルトンは腰を据えて読みたいと思わされます。
18世紀文学を論じた章では、ロレンス・スターンに興味が惹かれました。
以前少しだけ読んだことがありますが、まだよくわかりませんでした。
吉田は、スターンに近いものを日本で言うなら井伏鱒二だといいます。
いずれも脱線が多いが、その脱線がただの脱線でない、むしろそれが本線になるというのです。
これを読んでなんとなく、しっくりきました。
また、スターンも読みたいです。
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